『させていただきます』という表現の誤用 (朝礼ネタ659)

本人が丁寧に使っているつもりの言葉に『させていただきます』がありますが、一つ間違えると、相手に不快な思いをさせることがあります。

『させていただきます』という言葉は、「させてもらう」の謙譲表現(へりくだって言うことで、相手を立てる表現)になります。つまり、自分が行うことに対して相手から許可をもらい、そのことで自身に恩恵を受ける気持ちや事実がある時に用いられる言葉です。

文化庁の敬語における指針でも、以下のいずれかが欠けている時に『させていただきます』を使用するのは、不適切とされています。
・相手側の許可を受ける。
・そのことで恩恵を受ける事実や気持ちが存在する。

例えば、顧客から確認書類を提示してもらった時に、『コピーを取らせていただきます』と言うのは、許可を受ける、自社に恩恵があることで適切な使用です。

逆に、顧客からコピーを頼まれた時に『はい、コピーをお取りさせていただきます』と言うのは、許可を受ける必要が無ければ、恩恵も無いため、不適切な使い方です。

また、以下のような使い方をすると、相手に不快な思いをさせます。
・明日は臨時休業とさせていただきます。
・支払日は月末に延期させていただきます。

謙譲語を使っていることで、一見低姿勢には見えますが、本人の中ではすでに「休む」、「延期する」ことが決定しているニュアンスが感じられます。典型的なうわべだけを繕った慇懃無礼な言葉になります。

また、応接室で『ドアを開けさせていただきます』や、接待時に『私がお支払いさせていただきます』も間違った使い方です。自分が恩恵を受けないことに使用すると、「私があえてやってあげる」と受け取られる可能性もあります。

いずれにせよ、許可と恩恵が伴わない状況で使用すると、相手を不快にさせたり、誤解を招いたりするため、正しく使用することが肝心です。

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