ミニ四駆の成功はプライドを捨てたから (朝礼ネタ603)

今や田宮ミニ四駆は、それで遊ばない大人でも知っているぐらいに国民的なおもちゃになっており、
1082年に初代が発売されて以来、長きにわたって人気が持続しています。
しかしその初代ミニ四駆は、実は社内でも全く評価されないほど惨憺たる営業成績でした。
子供にターゲットを絞った、新たなシリーズとして注力していただけに、
その結果に社長以下関係者はひどく落胆しました。不人気の原因をあれこれ考えましたが分かりません。

そんな時にあるアニメ作家がミニ四駆を見て言いました。
「こんな部分のディテールも再現されていて、これはよくできているね。でも真面目過ぎる。
 車好きの大人ならいざ知らず、子供にシボレーなどと言ってもチンプンカンプンでしょ」
そして子供が喰い付くのは正確なスケールモデルではなく、
見た目の面白さで、だからデフォルメが必要だと指摘しました。

精巧なスケールモデルが身上の田宮としては、知らず知らずのうちにその「こだわり」に凝り固まっていたのです。
本物を精密に再現することが田宮のプライドとなり、
接着剤不要のはめ込み式組み立てで、パーツも少なく、数百円の安さという子供向けコンセプトでありながら、
従来のこだわりがそれに合わないことに気が付きませんでした。
ミニ四駆に関する限り、無意識ながらプライドが邪魔になっていたのです。
その反省から、大幅にデフォルメしたデザインが採用されて、ミニ四駆は長い栄光の歴史を走り始めました。

企画というものは、時にはプライドやこだわりを見直してまで、それだけ慎重に進めなければならないというお話でした。

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