やっぱり三次元CADは革命だった (朝礼ネタ534)

 機械の部品図とか組立図とかいった機械図面は、いわば設計した人から製造する人へ向けた言葉のようなものです。
 
 たとえば部品図は、設計者がどんな部品をどんなふうに作って欲しいのかを、加工する物に伝えてくれる手紙にあたります。
 
 ただ、図面は普通の言葉とちがう事のひとつに、必要最低限の事しか表現されていないという事があると思います。
 
 たとえば、私たちは言葉では「言うまでなく」といったセリフを聞いたり言ったりしますが、普通、機械製図の世界では、書くまでもない事はもともと描かれていません。
 
 機械製図のルールを決めた、JIS規格でも、例えば、正面図とだけで形と寸法がすべて表せる部品図は、平面図、側面図など他の図は描かないのが良いとされています。
 
 実際、例えばコマ回しのコマのような回転対称の形は、普通断面図一枚だけで表してしまいますよね。
 
 このように図が少ないのが良いとされるのは、たぶん、図面を描くにも読むにも、その方が能率がいいという考えからだと思います。
 
 実際問題として、このように「余計な図は描かない」というルールが浸透しているため、例えばコマの図面にもし側面図が描き加えられていたとすると、これを見た加工者は「何か側面図がないと表せない事があるのか」と、一時とはいえ、考えなくてもいいことを考えてしまうという状態になっています。
 
 従って、「なくても分かるけどあった方が分かりやすいから」といった、親切心で余計な図を加えると、ありがた迷惑になりかねないのです。
 
 しかし、三次元CADを使って描かれた図面が増えるにつれ、この辺の事情が変わってきました。
 
 三次元CADだと、アイソメ図などともよばれる、JIS規格でいうところの「立体図」、部品を斜めからみた所の絵が、簡単に描けるようになりました。
 そのため、それが描きそえられた図面が増えました。
 
 実はこの立体図というのは、JISの規格でも、形の理解を助けるためなどに描くとということになっているのです。つまり「なくてもわかる図だけれど描いてもいいよ」、とJIS規格に公認されているようなものです。
 
 したがって、図面を読む人も、立体図があるからといって、「これがないと表せない何かがあるんじゃないか」とむだに考える必要はありません。
 
 そして、もちろんたいていの場合は、立体図があった方が早くその部品の形を理解できますから、能率はあがります。
 
 いわば、立体図はその下に「描くまでもないですけど」という言葉が書いてあるようなものです。
 
 そういった面でも、私は3次元CADの登場は図面の書き手、読み手両方にとって、革命的出来事だったなあと思っています。

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