高齢者の心を開くコミュニケーション (朝礼ネタ253)

今回は高齢者に対する接遇に関してお話したいと思います。
「こうすべき」という話だけでは面白くないので私の体験を元にご自身と重ねて聞いていただけたらと思います。

私は高齢者と関わる仕事をしていますが、初めて接する利用者さんにはもちろん「◯◯さん」と呼び、敬語で話します。
ですがその後は相手の個性により話し方や呼び方を変えています。
具体的にはタメ口であったり、「お父ちゃん、お母ちゃん」と呼んだり。
教科書的には不合格な接遇かもしれませんね。
もちろん誰彼構わずそのように接するのはいけません。
ですが、高齢者の方の中には孫や子供との交流があまりなく、寂しい思いをされていたり、気軽な話し相手を求めておられる方が結構おられます。
そのような砕けた接し方をする事で、孫や娘と話すような気持ちになって癒やされたり、もしくは普段は我慢してるワガママを言いやすかったりするのです。
また、「人生の先輩としていろいろ教えてあげなきゃ」とヤル気を出される方もいます。
孫のようなスタッフに「若い頃の写真を見せてあげる」と昔の写真を持って来られ、その写真をキッカケに周りの利用者さん同士の会話も弾む…そういった事もよくあります。
杓子定規でなく、ちょっと人情味のある接し方は介護という世界では大切かもしれません。

以前こんなことがありました。
施設全体のサービス向上のため、定期的に講師を招き勉強会が行われました。
ある時接遇マナーの勉強会で、敬語の重要性と個人名を呼ぶ事の大切さがテーマになり、その後施設としてタメ口の禁止と利用者さんをきちんと個人名で呼ぶというルールができました。
教科書的にはしっかりした施設ですよね。
しかし、しばらくして利用者さん数人から、「対応が冷たくなった」「何か職員に対して失礼なことをしてしまったのだろうか」と声が上がりました。
詳しく聞くと、「前はもっと親しく話してくれていたのに」と。
ルールで決めた丁寧な対応がアダとなっていたのです。

今回の例は極端な例ではありますし、そういった砕けた対応を嫌う方ももちろんいます。
利用者さんにとって介護職員とはとてもプライベートな部分のお世話をしてもらう相手です。
本来なら人にはしてもらいたくないお世話なのです。
ですから、「その人にとってそのお世話をしてくれる相手がどういう相手なら負担感なくお世話を頼めるか」、そういう視点で接し方を考えるとコミュニケーションが取りやすくなるかもしれません。

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