顧みられない熱帯病の特効薬に (朝礼ネタ243)

顧みられない熱帯病という言葉を知っていますか?

アフリカではいろいろな感染症が蔓延していますが、世の中の関心が薄く十分対策が取られていません。
このため、貧しい国の人々は感染症で働けない、家畜を育てられないなどの被害に遭い、その結果貧困が貧困を生む状況となっています。

これらの熱帯特有の感染症に有効な薬が開発されれば、貧困の生活から人々が抜け出すこともできるのです。
しかしながら、費用対効果の問題もあり、薬の開発はなかなか進まないのが現状です。

こんな状況の中で、明るい話題があります。
熱帯特有の感染症である居眠り病に対する薬が開発されようとしています。

この居眠り病は、アフリカ睡眠病ともいわれツェツェバエというハエによって引き起こされます。
このハエに刺されるとトリパノソーマという寄生虫が刺された人の体に入り込み、眠るような状態となり、最後には死亡してしまうという病気です。

年間3万人もの人が死亡しています。
家畜も感染し年間数十万頭もの牛が死亡しています。

この居眠り病にアスコフラノンという化合物が有効であることが日本の研究者によって明らかにされ、有効な薬としての開発が進んでいます。

アスコフラノンは、日本の研究者が発見した抗生物質で、血中脂質低下作用や抗腫瘍作用がると言われているものですが、この化合物は居眠り病の原因となる寄生虫トリパノソーマがもつエネルギーに関わる酵素を阻害して、この寄生虫を死滅させることが分かったのです。

この酵素は寄生虫トリパノソーマにだけあり、人や家畜は持っていません。
なので、効果的で副作用の少ない薬になる可能性が高いと言えます。

今後、この化合物をリード化合物とする有効性や安全性の問題解決などが必要となりますが、顧みられない熱帯病の一つがなくなることを期待したいものです。
日本の研究者が発見し、さらに日本の研究者によって薬として開発されつつあることは嬉しい限りです。

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