山本五十六の分析と決断から学ぶ (朝礼ネタ118)

太平洋戦争の始まり、真珠湾攻撃の大成功は誰もが知っているところです。
しかしこの作戦がいかに困難なものであったかを理解している人はあまりいないでしょう。

まず、当時は飛行機で戦艦を沈める事は不可能だと思われていました。
つまり海戦の勝負は戦艦同士の砲戦で決するものだという考え方は、日本海軍のみならず、世界有数の海軍国である米英のおいても常識でした。
すなわち山本五十六が立案した、航空戦力だけで敵艦隊を撃滅する真珠湾奇襲攻撃は、非常識この上ない作戦だったのです。

なぜこの様な常識外の作戦を彼が決断したのでしょうか。
海軍戦力とその背景の国力差が圧倒的に大きな米国と戦う時、戦争が長引けば長引くほど日本がジリ貧となる事は、
戦争推進派の陸軍上層部でさえ認めるほど当たり前な予想でした。
それを覆すには、開戦初頭に米海軍戦力に大打撃を与え、有利な状況で早期に講和しなけらばならないと山本は考えました。
そして、その目的達成の為には、港湾内に停泊中の艦船部隊を機動力のある航空機部隊で奇襲攻撃する事が唯一の方法だとしたのです。

その戦法は魚雷による雷撃攻撃とし、作戦研究を命ずる時に、雷撃攻撃が不可能ならば作戦はしないと山本は言明しました。
研究の結果、雷撃は可能になった上に、爆撃精度向上もあって作戦は再成功します。

真珠湾奇襲攻撃は今も「一か八か」と形容されがちで、確かに危険な賭けの要素はありました。
しかし、航空機による雷撃の可能性、奇襲による敵反撃の少なさ、動かない標的艦への簡単な攻撃など、細かい状況分析を重ねた結果、
山本の頭の中では十分な成算が成り立っていたのです。

現代の社会の変化の激しさはどんどん増しており、その変化の先を予測する事は非常に困難でもあります。
そんな状況の中で、組織のトップは将来の方向性を決断しなければなりません。
それは真珠湾攻撃同様に博打的な場合もありますが、
決断に際しては、詳細な分析を行った結果の自分なりの成算が必ず必要であり、その成算がない時には中止する決断も必要です。

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